一般社団法人 日本クナイプ療法協会
ごあいさつ

理事長 大井和子 35年前、子供の発病と病院通い,薬害の経験など長年の医療を受ける側の立場から、理想の医療を求めて辿りついたのが、ドイツの「クナイプ療法」です。

約24年前、がん患者さんのグループ「がんと仲良くする会」(会長は故武者宗一郎大阪府立大学名誉教授)の事務局を引き受け、その後自然療法指向の医師や専門家の協力を得て、「がんにならないための健康塾」を主宰し、患者や患者予備軍の皆様と健康医学を求めて勉強会を続けましたが、日本には「QOLを高める医療」が無く、探し歩かないと指導者が見つからないという現状が判りました。

 このような事情から私は、40代後半になって東洋医学を学び鍼灸師になりました。その直後に私はドイツの「クナイプ療法」の存在を知り、それが求めていた医療であることを直感しました。

 日本はかつてドイツから現代医学を導入しましたが、残念なことに「修理工場」の部分のみ導入して、「整備・点検」に相当する「予防とリハビリ」の医療が導入されていなかったのです。このことはまさに現在の医療費の赤字や国民の健康不安、医療不信を招き、「高齢者医療が無い」という、経済大国でありながら、お寒い医療の現状の原因になっていると思っております。  私が20年前にドイツの「クナイプ保養地」を訪れた際、目から鱗どころか、大カルチャーショックを受けました。そこには現代医学(学校医学)と補完し合う自然環境を重視した保養地医療(クア)の存在があり、多くの自治体の基幹産業となっているという実態がありました。

 亡くなられた中川米造大阪大学名誉教授とドイツの保養地を視察して回った時に、中川先生は、ドイツ・ヨーロッパの各地から「クナイプ療法医」の追加資格を取りにきていた100名近くの若い医師達の前で「日本は百数十年前にドイツから西洋医学を学んだが、百数十年経った今、再度自然医療をドイツから学ぶために頭を下げなければならない」と挨拶され、また「クナイプ療法は医学史のなかに出てくるもので、現在このように栄えているとは思わなかった」とびっくりされていました。要するに、日本国民にはドイツやヨーロッパの人々のような医療の選択肢が、残念なことに無いのです。

 「質を高めて、医療費を削減できる」クナイプ療法は、「持って帰れる医療」としてドイツ政府の医療・健康政策の柱になっておりますし、また、WHOのオタワ憲章(1986年)の骨子にもなっております。

 百数十年前にクナイプ医師会が誕生し、現代医学を補完しています。またドイツでは1993年に医師の国家試験に自然医療の範疇からT題出題されることが国会決議されたとききました。世界一の高齢者社会に突入した日本に今1番必要なのは、ドイツで150年以上の実績(高齢者向き医療 として馴染まれている)があり、医学的・科学的根拠に裏付けされたクナイプ療法だと私は思っていますので、その普及・実現にぜひご支援・ご協力をお願い致します。

一般社団法人日本クナイプ療法協会
理事長 大井和子
2014年4月
このページのトップ

Copyright Osaka Kneipp Foundation. All rights reserved